ジプシーの祭り
サント・マリー・ドゥ・ラ・メール(Saintes Maries de la Mer)なんて地名、聞いたこともなかったのだけれど、ここでは年に1回、5月23〜25の3日間(*)褐色の聖女サラの像を海まで運ぶ祭が行われる。
ロマの守護聖人であるサラの祭りであるため、ジプシーたちが大挙して押し寄せる。
*2012年は5月24日に始まるらしい。詳しくは公式サイトを。 www.camargue.fr/pages/pelrina.html
彼らのキャンピングカーがあまりにもこの時期やってくるので、駐車場とキャンプ場の充実っぷりはすごい。ジプシーたちの中には鍛冶屋の露天を開く者、編んだカゴなどを売る者、演奏する者と様々。路上では音楽に合わせて皆フラメンコのような踊りを踊っている。
たまに白人女性が習いましたという感じで踊っていたりもするのだが、やめておけばと思ってしまう。本物とは全く発するものが違うからだ。男性でも女性でも、普段どこに隠れているんだろうと思うような、物語から飛び出して来たようなダンサーがいた。とてもエキゾチックだった。
演奏にはものすごく聴きごたえがあるものとそうでもないものがある。ミュージシャンの多くはCDを販売していた。今思えば買えば良かった。同じ音楽には、ルーマニアに行っても出会えるかどうか・・・。
このときすごく大勢のジプシーを見て、彼らの発するエネルギー、雰囲気の独特なアクの強さに興味を持った。私が慣れ親しんだ世界とはまったく違うところで生きている感じ。生活から価値観からすべてとにかく違う。ノマドだし、社会的にも決して優遇されているとは言えない。そういう何か。
祭りが過ぎればこの町は静かなビーチリゾートへと変わる。ジプシーも観光客も、さっと引き上げていく。からっと暑いので、ただのんびり歩いて、海に入って、ごろごろするのが丁度いいような雰囲気になる。
ここには2泊したが、アルルに宿をとって日帰りで訪れてもいいかもしれない。どのみちお祭りの期間に行くのであれば余裕を持って予約しないと空室は見つからない。
初日に泊まったホテル(*)は朝夕食付で、2人で190ユーロ(ハイシーズン料金)。部屋は広くバスルームもきれいで、町から離れているのを除けば、すごくいいところだった。食事の内容はかなり豪勢だったし。
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