Harmonize Nature

sao paulo cafe

サンパウロ

日系ブラジル人について知りたいと飛んだサンパウロでは、友人の友人のお宅に40日間滞在。
日系人社会にどっぷり入って彼らのアイデンティティや生活スタイル、価値観について知ることができた。
けれどまだまだ知らないことだらけ。日系社会についても、サンパウロについても。
車がやけに多くて、大都会のくせにのんびりしていて、店は遅くまで開いている。
ゴキブリは出るけど、大好きな町になったのは、やっぱり人がいいからだろうな。

治安

sao paulo security

いつも渡航前に安全に関する情報収集は最低限する。前回ブラジルを旅した時は他の南米諸国で相当なじんできた後だったので、私自身に狙われる要素が恐らく全くなく、平和に過ごせた。
今回は東京から直接行くため、安全に対する感覚もずれているだろうと思われた。サンパウロの危険度をネットで調べると、防弾ガラスの車という予想以上のキーワードに遭遇した。そんなに危険なの?とかなりびびる。
びびりはしたが、そうは言っても人は実際にそこで生活しているわけだし、これまで危険と言われる町では拍子抜けすることが多かった。ベネズエラのカラカスとか。なので、行ってみないと分からないという結論に落ち着いた。

行ってみるとやはり私から金持ちオーラが出ていないせいか、特に浮くこともなく、スリやひったくりに遭いそうな気配は皆無。
とはいっても日本以外の国では必ずするように、バッグにはしっかり手を添えて、周りの状況にはしっかり注意を向けていたが。
財布代わりに小さいポーチを使ったりという小細工はやりすぎだったようだ。みんな普通に財布をバッグの中に入れて、そこから支払いをしていた。私も最後には東京にいるのとさほど変わらないレベルまでリラックス。勿論荷物を置いてトイレに行くようなことはしなかったけれど。

さてショッピングモール内のこじゃれたイタリアンである日ピザを食べ、さてお会計と思って隣の席に置いた自分のバッグに手を伸ばしたとき、やっと気づいた。店内すべての椅子に写真のようなバンドがとりつけれらており、置き引き防止のためにウェイターがお客のバッグをそれでしっかり椅子に固定してくれていることに。話に夢中で全然気が付かなかった。
ほかの店でもこのバンドはよく見たけれど、大抵一定以上のレベルの店にしかない。高級感のあるショッピングモールの中なのに、こんなところでも置き引き対策が必要だとは驚いた。

普通に町を歩く分には本当にまるっきり無害な、平和な感じに思えるのだが。
それでも住宅街では豪邸の前にほぼ一軒置きくらいに個人に雇われたガードマンが常駐しているので、安全ではないのだろう。

バスとメトロ

sao paulo bus

ここの、いつ来てどこに行くのかわからないバス。私がお世話になっていた家の最寄バス停には名前がなかった。
屋根と椅子があるだけいいが、落書き以外に文字が書かれていないので、どこ行きの何番のバスがいつ来るのかは不明。経験上多分20分に1本、という感じで教えてもらい、それはそんなにはずれていなかった。

しかしこの乗るべきバス、角を曲がって突然姿を現す。目に入った瞬間に反射的に手を上げないと止まってくれないほどの至近距離にある角。そういう場所にバス停置くか?この瞬間を逃すとまた20分待たないといけないので、本を読むこともできず、ただひたすらよそ見をしないようにじっとしているしかない。

手を挙げても、明確に人差し指を出してここに止まってちょうだい、といわんばかりに地面を指ささないと止まってくれない。無視されたからってクレームの電話をしたくても、バス会社の連絡先もなにもそこにはないので、またもやもやと待つのみ。
これではみんなが車に乗ってしまうのも無理からぬ話。

sao paulo metro

サンパウロのメトロは時間を置かずにすぐ来るし、多少駅の中で迷うことはあっても、大抵非常に分かりやすくできているので、楽に利用できる。

どこの都市もメトロの仕組みは大体同じ。東京が一番入り組んでいてややこしいかもしれない。都営地下鉄と東京メトロとあるし。いろんな鉄道会社と乗り入れているし。

サンパウロでは、PasmoとかSuicaみたいな、バスとメトロの両方に使えるパスを買って、何度もチャージしながら使うのが便利。というのもこのカードで乗れば、バスとメトロを乗り継いだときに料金が割引になるし(次に乗ったとき料金が確か半額)、バス同士を乗り継ぐときも時間内であれば割引が適応される。
チャージ方法は窓口と機械と両方あるし、残高をチェックする機械もそこらじゅうにある。

メトロの中にはおかしな人はまずいないし、物乞いもいない。できたばかりなので大体きれい。つかまる手すりが少ないのと座席の配置が非効率に思えるが、トロントに来てみたら地下鉄のレイアウトはこれとほぼ同じだった。

ブタンタン毒蛇研究所

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地球の歩き方にも載っているブタンタン毒蛇研究所。いろいろな蛇がいる。でも餌付けの時間は過ぎていて、眠っているのがほとんどだったのが残念。

蛇っていうのはすごく効率のいい体をしているので全然昔と変わっていないとはよく言われているけど、本当にこれ以上進化しようのないほど楽だよって顔してる。うろこもきれいだしね。小さいころ梅図かずおの蛇女のシリーズを読んで以来その印象が強くて本当に蛇が怖いと思っていたけど。
実物はなんとも美しい・・・。でも蛇とか爬虫類・両生類が嫌いな人にはまったく意味のない場所でしょう。

動物園

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ピースボートのときも個人旅行のときも、行けるときは動物園に行く。水族館にはもっと行く。その中で比較すると、サンパウロの動物園は上野よりちょっと下くらい。(だって上野動物園ってガラパゴスゾウリクガメまでいるのよ!)

敷地が広くて街中の大気汚染から逃れられるという意味で、森林浴とかピクニックに行く感覚で行ったほうがいい。
動物の見せ方はさすが南米、適当。お客さんが歩きながら効率よく見れるか、とか考えてなさそう。導線の問題ね。そのくせ食べるところと座るところがいーっぱいあって、いや食べに来たわけではないんですが・・・というかんじ。まあその分動物はのびのびと、細かいことはきにせず管理されて、結構気楽な感じに見えたので、いいのかも。

動物の種類はもちろん遠出してパンタナールまで行ける人は行ったほうがいいし、なぜブラジルに来てまでキリンやライオンなのだ?と思うけど、こっちの人にしてみたらそれがエキゾチックなので、需要があるのね。
檻の中の動物よりも私がいいなと思ったのは普通に植えてあるアマゾンの木々と、それから園内を闊歩していたアルマジロ!!君は展示物ではないのか?イグアナですら檻の中だったのに!アルマジロってそんなに当たり前なの?

聞けばホストファミリーも田舎で捕まえて丸焼きにして食べたことがあるよう。
こっちからしてみたらアルパカ食べるよりも未知な感じがするんだけど・・・。(*)

動物園ってそういう意味ではおもしろいかもしれない。その国の人にとってどういう動物がエキゾチックなのかがわかる。

動物園への行き方:

地下鉄1番の終点Jabaquaraまで乗って、出たらバスターミナルPlataforma Aへ。出口によっては横断歩道を渡っていかないといけない。バス乗り場付近に、いかにも動物園っぽい柄の切符売り場があり、そこで往復のバス代+入場料をまとめて払う。ちなみに2012年1月現在で21.4レアル。これまた動物柄のマイクロバスに乗り、10分くらいで到着。すごい飛ばすので座ったほうがいい。


*ペルーのアレキパでアルパカとクイを食べた。チリのプンタ・アレーナスではビーバー肉、ボニートではカイマンの肉が食べられる。

セアザ市場

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過去100年以上にわたりブラジルに移住した多くの日系人が、はじめは農業に従事し、日本人らしい勤勉さで様々な品種に挑戦。日本から種を持って来たり、品種改良したりしたりしたことで、今ではさまざまな果物・野菜がブラジルでも手に入るようになった。米がブラジル人の主食になったのも、日系人が稲作を頑張って定着させたおかげなのだ。

セアザ市場ではそんな多様な食材を一気に見ることができる。日本の食材もほとんど何でも手に入る。日系人の出しているお店もあれば、そうでないものも。今では日系人は農業そのものでなく卸しや農業用の工具の販売を手掛けたりしているし、もっと若い世代になれば医療関係者、弁護士などが多い。

話をこの市場に戻すと、ここは日曜の朝だけ一般のお客さん向けに開放されているが、普段は業務用なので入場すらできない。なんでもあって、安いし、市場ならではの活気がある。地元の人が大量に買っていくのを見ているだけでも楽しい。(動画はこちら)

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住所:Avenida Doutor Gastão Vidigal, 1946 - Vila Leopoldina, São Paulo
公式サイト:www.ceagesp.gov.br

日本食

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サンパウロではリベルダージ(東洋人街、日本人街)まで行かなくても、日本食レストランが多い。歩いていると、え、また?と思う頻度で現れる。

ちゃんとした高級感のあるレストランもあれば、すき家だって、マックの居ぬき物件のような内装だったけど、ある。サンパウロでこぎれいな店でランチ食べると軽く2000円くらい行くので、日本食だから特に高くつくという感じはしなかった。味は結構ちゃんとしていてうれしい。

カフェ

santo grao santo grao

ブラジルと言えば?で最初か2番目くらいに挙がるであろう、コーヒー。ほぼコーヒー中毒の私にはありがたい国。なぜなら他のコーヒー輸出国と違い、質のいいコーヒーを国内でも流通させているので、どこかの国のように、せっかく産地にいるのにネスカフェという事態にはならない。

さてブラジル人はめちゃくちゃ濃いコーヒーがお好み。たとえペーパーフィルターを使ってドリップしても、エスプレッソ並みに濃く仕上げる。香りも強い。これがコーヒー?というような香りがする。写真のように濃く少量を淹れるためのセットも販売されている。このサイズ、私の感覚だとエスプレッソメーカーの出番なのだが。

また、必ずチェイサーが付いてくる。大抵ガス入りの水。ブラジル人にとってガブガブ飲むアメリカンはもやはコーヒーじゃないんだろう。カフェオレボウルかと思ってラテを作るのに使ったカップ、あとでホストファミリーが、それスープ用だよ、と。ところ変わればコーヒー文化も違う。

ナイトライフ

サンバ・ホッキ

滞在中、サンバホッキ(サンバロック)のバンドが入るDiquintaというクラブに連れて行ってもらった。
車がないと普段から不便な町ではあるが、夜遊びしようと思ったら本当に車なしではどうにもならない。クラブのある場所はあたりが全部倉庫街のごとく閑散としており、タクシーつかまえるのも一苦労というような場所だった。六本木のように集中していてくれれば、小腹が減ったらちょっと出て、また戻ることもできるというのに。
ともかく潜入。入口でIDを見せるか電話番号などの情報を伝え、カードをもらう。中での飲食はこのカードにチャージされ、あとでエントランスフィーと一緒に清算というシステム。男性と女性では料金が異なり、女性のほうが安い。
12時を回ったころに入ったが、まだレッスンをやっていた。レッスンといっても別途料金が必要なものではなく、先生っぽい上手い人がやっているルーティンを真似するだけ。でも楽しいんだなあ。なんでこんなに楽しいのか。みんなで楽しもうという雰囲気があるせいかな?
そのあとバンドの演奏が始まり、みんな大体ペアで踊り始める。特に競い合うようでもなく、ひたすらゆる〜く踊る人々。でもうまい。アフリカンな動きをするなあという印象だった。技はサルサとすごく似ていて、音楽とステップが多少違うくらいで、適当にあわせていたのだけど、あとでこのZouk Japanというサイトに色々それらのダンスが解説付きで載っているのを見て、こういうことだったのかと納得。
お客さんの年齢層は若いけど、前回の場所に比べたらという意味で。社会人ぽい人しかない。多分平均して20代後半以上。適度なおしゃれ感もあっていいところだった。木曜日ということもあり閉店が午前3時くらいで、これでは車のない人には無理。

サンパウロのクラブ事情を聞くと、車がないときついよう。あまり密集している場所がないらしい。ホテルをとるならセントロでなくパウリスタ大通りの近くのほうがそれでもアクセスがまだよく、セントロ近辺より安全とのこと。

ジャンター・ダンサンチ

ホストマザーが32年前(私が生まれた年!)に日本に留学したときの日系仲間がダンス好きで、私がサルサが好きで、という話をしたら連れて行ってくれることになった。
行先はサルサバーでなく、Jantar dançanteという形式のBuffetスタイルのレストラン。真ん中にはステージ、バンド、そして踊るスペースがある。Jantarというのは夕食を食べる、という意味。食べて踊れる場所。結構広い会場で、ステージ以外の場所では照明も明るく、家族連れがご飯を食べに来ていたりする。年齢層は中年からシニアまでがメイン。

jantar dancante

私がお邪魔した日系人のダンス好きなグループは、全員私の親世代かちょっと上くらい。つまり50代後半以上。サンバやフォホを踊り、踊っては食べ、また踊っては喋って、ちょっと飲んで、すごく健康的。ほかのお客さんを見ていると、真っ白の白髪でかなりの高齢とおぼしき夫婦が楽しそうに踊っていたりして、すごくほほえましい。
ペアダンス系で始まり、途中はサンバのカーニバルの曲になり、よく分からないけど誘われるままに参加した。まわりを見ると老いも若きもみーーんな総立ちでノリノリ。みんな完全に没頭している。すごい集中力!!!!!ステップは適当!なんか音楽を感じることがポイントらしい。誰も彼もがこんなに集中して踊れるなんて、いい国だ!だからブラジルって好きなんだよな〜〜。
そのあとはレトロなナツメロがメインで、初老の夫婦が振付のようなことをやりだしたので、みんなで真似をする。昔ディスコ通いしたんだろうなあという感じ。
サンバも教えてもらった。そう簡単にお尻の動きはまねできないけどなんとなくわかった(と思う)。
不良中年たちは解散して駐車場に向かうときもずっと踊りながらだった。トイレに行くのもステップを踏みながら。私も25年後にはそういうふうになりたいものだと思った。

サルサ

このジャズクラブ(⇓)が、日曜日だけサルサの日になる。

www.bourbonstreet.com.br

*サイト開くと音楽流れます。会社で見ている人注意。住所と電話番号はサイト開いた右下にあります。

生バンドが入って、みんな結構いいレベルで(中〜上級)、レッスンもちょっとあって、ひろくてきれいで、食事もできて。そんなところでソフトドリンク2杯頼んで、全部込みで2500円程度。
ブラジル人は基本的にペアダンスが文化に浸透しているせいか、サルサもうまい。その中でもペルーっぽい顔立ちの人と、黒人系の人は特にうまかった。リードもちゃんとしていた。On1が多い。キューバンではなかったけど、これは店にもよるんだと思う。あまりいい加減な踊り方をしている人はいなくて、けっこうちゃんとレッスンしたのかなという印象。
パートナーも1曲ごとに変えているし(カップルでない限り)、相手がいなくてもはじっこでシャイン。やる気あるぅ〜。年齢層は日本よりちょっと若く、女性はもうちょっとセクシーで、男性はもうちょっとおしゃれ。バンドもすごくよかった。曲も結構知ってるのが多かったんだけど、いい選曲。
日曜の夜だというのに1時くらいまでみんな粘っていた。

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